【談話】長崎の「原爆の日」にあたって
長崎の「原爆の日」にあたって
国民民主党代表 玉木雄一郎
77年前の今日、原子爆弾が長崎市に投下されました。この惨劇により多くの尊い命が失われました。原爆により犠牲になられた皆さまに心から哀悼の意を表します。また、ご遺族の皆さま、心身ともに深い傷を負い、今も癒える事のない苦しみを背負い生きてこられた被爆者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
昨年、「黒い雨」を浴びた原告84人全員を被爆者と認めた広島高裁判決が、政府の上告断念により確定しました。原告以外も含めて同様の事情にあった者も広く救済するとして本年4月から被爆者認定の新基準が運用されています。
しかし、長崎の被爆体験者の皆様はその対象外とされています。国の上告断念の判断が長崎の被爆体験者の救済に繋がることを期待していただけに大変残念であり、長崎と広島で認定の基準が異なる事は許されるものではありません。今こそ被爆者援護法の理念に立ち返り、救済を図るべきです。
今なお、国際社会における核軍縮は道半ばです。ウクライナ情勢をはじめ、日本周辺、世界各地の安全保障環境が厳しさを増す中、あらためて平和の誓いを国際社会と共有し、核廃絶、世界恒久平和の歩みを強力に進めていかなくてはなりません。
我が国は本年6月に開催された核兵器禁止条約第1回締約国会議にオブザーバー参加しませんでした。唯一の戦争被爆国として、国際社会の先頭に立って、非人道的な核兵器の惨禍を二度と繰り返さないよう、核兵器禁止条約の署名・批准の実現へ向けて、核軍縮を進めるために核保有国と非保有国とをつなぐ実効性ある橋渡し役を果たすことを政府に強く求めます。
最後になりますが、皆様の「長崎を最後の被爆地に」との願いを痛切に感じ、長崎の「平和」への想いを伝えることは我々の使命です。国民民主党は今後とも被爆者援護施策の充実、被爆体験者の救済など諸課題の解決、被爆の実相の次世代への継承に全力を尽くして参ります。